2017-07-13(Thu)

お知らせー(この記事がいつもトップです)

まず、自己紹介を…
八重土竜(ヤエモグラ)と申します。
基本はぐだぐだしながら小説などを載せていきたいと思っています。

月、水、金、日曜日更新しています!!

基本はさみしがりやなのでブロともとか募集しています。
どんどんコメントとか残していってください。
リンクフリーです。


書いてる小説の方は幼女4人におっさん1人の俺得の小説(オジコン)と、グリム童話をもとにしたダークファンタジー(グリモアグリム)を書いてます。
よかったら見てあげてください。
両作品とも左横にある目次バナーから目次に飛べるようになっています。詳しい説明(?)が欲しい方や、はじめから読みたい方はこちらからどうぞ。グリモアグリムの方も目次ページ作成中です。
あとがきの部類はすべて未分類のところに入れてあります。
それから、「くだらないこと。いらないもの」では日々起こったことを脚色して小説として載せさせていただいております。こちらは目次とかないのでカテゴリの方から飛んでください。すみません。

~近況~


エド・叛徒(はんと)様にバナーを作っていただきました。素晴らしいです。こんな素晴らしいバナーに負けないくらいの小説をかけたらと思います。(11月4日)

ブログの模様替え終了しました。お騒がせして申し訳ありませんでした。
それに伴いブログ名の変更です。私の中でいろいろあったんですが、私の都合で変えたことに変わりはありません。これからは『七人と透明な私』で一生懸命執筆活動していくのでよろしくお願いします。(11月19日)



ツイッターもやっております。https://twitter.com/anteino_kitigai
よければフォローしてください。

現在カクヨムで「芙蓉の庭」も連載中です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881631813#work-information

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2017-05-23(Tue)

石の油を飲んだ人鳥 4

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2017-05-21(Sun)

石の油を飲んだ人鳥 3


「ねぇ、赤い人、あなたは建物は好きですか?」

 ペンギンがそう言った。何か思いついたような声だった。
 とうの昔にオランウータンの檻の前は通り過ぎていた。彼は悲しい顔をしていたかもしれない。
 相変わらずペンギンは白く濁った冴えない瞳をしている。
 園内はすみずみまで歩き尽くした。ペンギンはまだどこにもいかないし、ペンギンを連れ歩いている人も見なかった。
 べったり塗られた空色の空をペンギンが見ている。何か言いたげだった。私はジュースを飲んでいた。ペンギンの歩いたあとは、虹色の水たまりがベチャベチャと残っていた。

「もう少し行くと古い建物があるんです。好きですか?」

「好きかどうかは……古いってどれくらい古いの?」

「とてもです。とても古い建物があります」

「よく知ってるね」

「はい、僕は昔飛べるペンギンだったので、だから知っているんだと思います」

「今は飛べないの?」

「はい、今は飛べません」

「病気のせい?」

「いいえ、違いますよ。きっと年のせいです」

 ペンギンはそんな悲しいことを言った。
 私が頷くとペンギンも頷く。どうやら彼は私の言いたいことがわかるらしい。もう、私の意見を言うのはやめにした。
 今度はペンギンが私の前を歩いていく。私が想像しているような足音は聞こえない。その時私は始めて、ペンギンは歩いてもペタペタと可愛らしい足音を立てないということを知った。私やその周りの全員が知っているあの音は私たちの妄想なのだ。その途端、周りのすべてのものが白い線を持っているように思えた。ペンギンの石鹸病がリアルに私の手の中に落ち込む。
 彼は自分が思っているよりもずっとこの動物園の動物なのだろう。なんの迷いもなく私をその古い建物の方へ導いていく。それとも本当に彼の言うように彼が昔は飛べるペンギンだったからかもしれない。
 いくつかの檻の前を通り過ぎていって、そのうちに古い石造りの建物に辿りついた。白っぽい石を積み重ねて作られている。どこかにある美術館に似ていると私は思った。
 ペンギンが嬉しそうにしゃべりだす。

「ここが古い建物です。どうですか? 好きですか?」

 アーチのような形をしている入口に立ったペンギンが濁った瞳で私を見上げていた。私はなんとも返すことができない。好きでも嫌いでもなかった。

2017-05-19(Fri)

石の油を飲んだ人鳥 2

 一人のペンギンは私にそう言っていた。
 ペンギンは生臭くない。白く濁った目をしていた。プールにいるペンギンは黒くピカピカした目をしている。となりの檻のオランウータンがこちら側に一生懸命手を伸ばしていた。気味が悪かった。まだ、オランウータンが喋ったほうが現実味がある。それほど、彼は喋りそうな形をしていた。
 ペンギンの足元は七色の水でべしゃべしゃだった。気がつけば私の足元もだ。ガソリンスタンドに似た匂いがした。
 ペンギンと二人で足元の水をバシャバシャして遊ぶ。子供みたいで楽しかった。ワンピースの裾は、固く黒く汚れた。

「私があなたを連れて行けば、ここのペンギンはみんな助かるの?」

「いいえ」

 かわいそうなペンギンたちだった。

「助かりません。でも、僕はあなたと行けば必ず助かります。それに、絶対に楽しい」

「私といて楽しいの?」

「はい、楽しい。あなたと一緒に居たい」

「それはかっこいい人に言われたいセリフだわ」

 私は思わず笑った。
 私の笑い声を聞いてプールの中のペンギンたちも、隣にいるペンギンも笑った。ギィギィという変な声だった。
 ペンギンがまたしゃべりだす。同情して欲しいのではなく、心配して欲しいという気持ちもなく、きっと私に今を知って欲しくてその話をするのだろう。ペンギンの語り口は、自分がなんたるかを知っているようだった。

「僕たちペンギンは病気でいるのです。水に溶け消えてしまう病気なのです。私の妻もついこの間この病気のせいで死にました。お腹がすいたから海の中の魚を取りに行ったのです。人間は泳ぐようにできていないから知らないかもしれませんが、僕たちの海は小さく、そして一定の方向に流れがあります。僕たちはそれを海流と呼んでいますが、その海流に沿って死んだ魚が泳いでいます。海には排水口というものがあって、もう二ヶ月もその口は開いていませんでした。妻の病はもうだいぶ進行していて、頭以外はすべてが石鹸でした。水に入ってぐるぐる流された妻は、中からも外からも溶かされてしまって、見るも無残な状態で、水からなんとか引き上げることができたのは彼女の頭の部分だけでした。体が亡くなった妻は飢えて死にました。去り際、妻が僕に、『赤い服の人が来たら逃げられる』と言ったのです。その赤い人とは多分あなたのことです。あなたが来たから僕は逃げられる。だから、お願いです。僕を連れて行って、僕にはもう妻も子供もありません。あるのは妻の溶け消えた海とあなただけです」

 私はペンギンの言うことが上手く理解できなかった。でも、確かに言えることは、彼の言うところの海がプールで、そのプールの水がグルグル回っていて、餌の魚は死んでいて、彼以外のペンギンは助からないのだろうということだった。
 それから、私は確かに赤い服を着ている。
 さらに生臭く、血の匂いも混ざり始めていた。私はなるべく口で呼吸することにした。鼻をつまむにはまだ少し早いような思いがあったからだった。
 私が訊く。

「ねぇ、どうしてペンギンは病気になってしまったの?」

「石油を飲んだからです」

「石油はお金になるじゃない」

「いいえ、石油はお金になりません。ただただ僕たちペンギンを病気にしていきます。石油を飲んだ病気です。これは石鹸病といいます」

「石鹸病」

「お願いします。僕を助けてもバチは当たらないはずです。妻は死にました。あんな風に頭だけになって死にたくないです。お願いします」

 ペンギンがとうとう泣き始める。ポロポロと海水のようにしょっぱい涙はペンギンの顔を溶かして落ちていった。最後には七色の水たまりに混ざった。これがきっと彼の言う石油なのだということを私は知った。
 かわいそうに、ペンギンはもうひとりぼっちだ。私も一人ぼっちなのだ。
 一人と一人がペンギンと。
 一緒にいるのではなく、ついてくるだけだ。ペンギンは私の真似をするだけ。
 ついてくるなら、来るといい。

2017-05-17(Wed)

石の油を飲んだ人鳥 1

 
 僕はいるよ。ここに。
 君は知らないかもしれないけれど、君が生まれる前からずっとここに。いつか君は僕を見つけるよ。僕はそれまで君を待ってる。この暗い場所で待ってる。

 動物園に足を踏み入れたのなんか、本当に久しぶりだった。数年前、写真を撮るために友人と来て以来だったろうか。この間までは私ともう一人いたけれど、その子は水に流してきてしまった。下水の金魚と踊りを踊っているに違いない。
 地面に薄く虹色に光る水たまりができている。私の周りにいるのは、ピンクと水色の服を着た人たちだけだ。
 家の戸棚を開けて、私は探し物をしていたのに、いつしかこの動物園につっ立っていた。子供と動物園に来たいと願っていたからかもしれない。
 いつか遠くの未来に、私はかわいい子供の手を引いて動物園に来るのだ。
 だが、今ではない。
 自分の服はピンク色でも水色でもなく、ただただ目が覚めるような真っ赤な色だった。幸いだ。好きな色で助かった。ピンクなんか着せられていたら、発狂するか子供みたいに泣き叫ぶかしていたに違いない。子供みたいな膝丈のワンピースを私は恥ずかしげもなく着ている。
 空を見上げると、絵の具の空色がベッタリと平筆で塗りこまれていた。小学生の時に親に強請って買ってもらった空色の絵の具を思い出す。今ならあれに似た色を難なく作れるのを知っている。どうしてあの時、こんな色を買ってもらったのか、それが思い出せなかった。親も同じような気持ちを抱いただろうか。
 空色の絵の具は結局使い切る前に乾燥させてしまった。
 ポツリポツリと歩き出す。
 私は探し物の途中だ。早く家の戸棚に会って、彼の顔面を割って中身を取り出さなきゃならない。
 ライオン、ゴリラ、フラミンゴ、馬にオウムにモルモット……動物をしりとりの順に並べたらどこかで捕食が始まるに決まっている。檻に書かれた名前を呼んで笑っている自分がいた。
 ところで、隣を水色の服の人が通り過ぎていった。
 生臭い。
 魚を腐らせたのの匂いに似ていた。海辺にしばらく住んでいるので、テトラポットに運悪く引っかかってしまった魚が腐ってひどい臭いをさせていたのを見たことがあるのだ。飼い犬の口臭にも似ていた。
 だから、その匂いを生臭いと言える。
 動物園にペンギンがいるのを皆はどう考えるだろうか。ペンギンも動物だから変ではないと言うのか、ペンギンは水棲生物だから、水族館がお似合いだと言うのか、それともペンギンなんて食ってしまえというアザラシだっているかもしれない。アザラシは絶対に水族館側だ。
 私が頷いた。足元には七色に光る水たまりがあった。
 ペンギンのコーナーだ。
 私はペンギンが動物園にいようと動物園にいようとどうでもよい。
 どこの動物園とは言わないが、ペンギンの展示が二箇所もある動物園に行ったことがあるからだ。ペンギンは北極にも南極にもいなくて、おそらくは動物園に行けば見られるものだから、とても気軽だ。
 とにかく、ペンギンは生臭い。
 狭いプールは掃除されていないらしい。ペンギンのとろけた残骸とか、嘴、羽根、ヒレ、魚、鱗、骨、それから、小さいペンギン。
 周りにいる人たちも臭そうにしていた。でも、熱心に見ていた。
 プールの端々も七色に輝いている。気味が悪かった。
 ペンギンは島に上がってぐったりしている。緑色になっているのもいれば、羽が禿げて、肌から血が出ているのもいた。肉が溶けてピカピカの骨が見えたままひょこひょこと歩いていた。
 いつの間にか、ペンギンが一人、私の隣に立っていた。
 目を合わせるとしゃべりだす。キィキィ声かしらと思ったら、ゆっくりとした声だった。

「こんにちは」

「……こんにちは」

「もしよければ、僕を連れて行って欲しいんだ」

「連れて行くって、どこまで? 私はタクシーじゃなくってよ」

「おぶって連れて行って、なんてそんなことは言わないよ。それに僕は君のカバンに入る大きさじゃないでしょう? 君についていきたいだけなんだ」

「どうして?」

「僕は石鹸だからだよ」


プロフィール

八重土竜

Author:八重土竜
こんにちはヤエモグラと申します。
ただいま、更新健全化月間です。

七月、八月は毎日更新!!!
内容は幼女4人におっさん1人のカオスな俺得小説と、グリム童話をもとにしたダークファンタジーを書かせていただいております。

まれにみる駄文でございますがよかったら読んであげてください。

ブロとも、相互リンク、いつでも受付中です。メッセージやコメントからお知らせください。
目次バナーの素晴らしい絵はエド・叛徒(はんと)様に書いていただきました。


※ちなみに著作権は捨てておりませんので文章、絵の無断転載などはしないでください。

目次たち
   ぼちぼち更新しています。幼女が出てきます。    ダークファンタジーです。ゆっくりとしたお話をお楽しみください。 残り物たち。
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