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2017-04-21(Fri)

お知らせー(この記事がいつもトップです)

まず、自己紹介を…
八重土竜(ヤエモグラ)と申します。
基本はぐだぐだしながら小説などを載せていきたいと思っています。

月、水、金、日曜日更新しています!!

基本はさみしがりやなのでブロともとか募集しています。
どんどんコメントとか残していってください。
リンクフリーです。


書いてる小説の方は幼女4人におっさん1人の俺得の小説(オジコン)と、グリム童話をもとにしたダークファンタジー(グリモアグリム)を書いてます。
よかったら見てあげてください。
両作品とも左横にある目次バナーから目次に飛べるようになっています。詳しい説明(?)が欲しい方や、はじめから読みたい方はこちらからどうぞ。グリモアグリムの方も目次ページ作成中です。
あとがきの部類はすべて未分類のところに入れてあります。
それから、「くだらないこと。いらないもの」では日々起こったことを脚色して小説として載せさせていただいております。こちらは目次とかないのでカテゴリの方から飛んでください。すみません。

~近況~


エド・叛徒(はんと)様にバナーを作っていただきました。素晴らしいです。こんな素晴らしいバナーに負けないくらいの小説をかけたらと思います。(11月4日)

ブログの模様替え終了しました。お騒がせして申し訳ありませんでした。
それに伴いブログ名の変更です。私の中でいろいろあったんですが、私の都合で変えたことに変わりはありません。これからは『七人と透明な私』で一生懸命執筆活動していくのでよろしくお願いします。(11月19日)



ツイッターもやっております。https://twitter.com/anteino_kitigai
よければフォローしてください。

現在カクヨムで「芙蓉の庭」も連載中です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881631813#work-information

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2016-12-13(Tue)

翠の国にて 32

 木々の匂いが強い。ラーニャがそれを深く吸い込んだ。カーラはそのまま歩いていく。

「カーラ」

 とラーニャが呼んだが、カーラは気がつかなかった。匂いの強い風に髪の毛を揺らされても、ラーニャは気にもとめなかった。
 風の音にラーニャの声はかき消されてしまったのか、それとも、なにかの声を聞いているのか。その黄色い瞳には何が写っているのか、ラーニャにはわからなかった。
 水色の髪の毛に花の花弁が一枚絡まっている。革の手袋に包まれた手が、髪の毛を軽く触った。

「ねぇ、カーラ」

「……」

「カーラったら」

「あ、ラーニャ」

 振り返る。不安そうな顔をしていた。ラーニャがその表情に思わず笑う。

「なんでそんな顔してんのよ、面白いわね。自分で行くって決めたんでしょ。それでここまで来たんでしょ?」

「う、うん……」

「なら、そんな面白い顔してんじゃないのよ」

 ラーニャがカーラの額をつつく。つつかれた方が一歩遅れて額を守った。そんなに力強く押したつもりはなかったのに、思ったよりも後ろに下がっていくので、ラーニャの方が驚いた。

「やだ、カーラ。そんなにしてたら木の根に足引っ掛けて転ぶわよ」

「こ、転ばないよ」

「なら、いいけど」

 ラーニャが片眉を上げて頷く。わずかに笑っていた。カーラは笑えるような心境ではなかった。
 自分でも処理のしようがないような、わけのわからない感情を抱えながら、カーラが歩き続ける。その後ろをラーニャがついてきていた。
 なぜか、この森をすごく懐かしいもののように思えてしまうのだ。昨日来たばかりだし、そんな思い出に浸れるほど、カーラはこの森を楽しんだ覚えはない。昔の森の情景と、今いる場所が重なっているのかとも思ったが、それにしてはやけに思いが鮮明だ。
 カーラは自分が、昔自分が居た場所を忘れつつあるのを知っている。ほんの数か月前は思い出せた木目や、鳥の巣の場所が、だんだんと思い出せなくなってきている。ラーニャたちと旅を始めてから初めてのことや、覚えることがたくさんあったせいで記憶をおいてきているのかもしれないし、自らが無意識のうちに捨てているのかもしれない。
 それでも、そのどちらでもカーラは構わなかった。少し戸惑う心はあっても、それを後悔はしていなかった。そのはずだった。
 だがどうしてだか、この森に近づいてから、森だと言うあの声が聞こえてから、忘れているということに恐怖を覚え始めていた。
 カーラが前を見据える。昨日自分たちが少し広げた道がまっすぐに続いているだけだった。もう少し行けば昨日の池だ。もっと行けば、町にあるのと同じ三本の巨木が待ち構えているはずである。
 その木が、カーラを呼んでいるのかもしれなかった。

「ねえ、ラーニャ」

 と、カーラが口を開いた。


2016-12-11(Sun)

翠の国にて 31


「なんて……嘘よ。冗談。そんなひどいことするはずないわ」

「森がそんなひどいこと言うはずないわ」

「あなたの森がそうだっただけかもしれない。この森はそうなのよ。そうなってしまった」

「それは……死ぬ運命だから?」

 カーラの問いに、森は力強く答えた。

「それは違うわ」

 言葉ともに、カーラの視界が緑色に染まる。ラーニャが手を握っている感覚はあるのに、そちらの方に体を向けることができなかった。目の前には、豊かな森が広がって、穏やかな木漏れ日が踊っていた。視界の端の方を小さな動物が通り過ぎる。
 森の緑色に飲み込まれたような。この感覚をカーラは知っていた。幻覚の類ではない。森が、自分を包み込んでいるのだ。人でも、意地悪な魔女でもなく、ここは森だった。
 カーラが自覚して、目を見開く。黄色の瞳は緑色に染まった。
 森がゆっくりとしゃべりだした。
 声を聞くたび、今まで考えていたものがぼろぼろとがれ落ちていく。だが、彼女の中の強い怒りだけが一つだけ、大切なものをつなぎ止めていた。

「ここはね、もう森でも何でもないのよ。街だわ。私たちは取り残されたの」

「……私たちって?」

「私たちよ」

 言葉と同時に、カーラの目に、可哀想な三本の木が映った。街の中心に立つ、カーラが今目の前にしているであろう三本の木だった。ここは街中で間違いないのだ。
 カーラが息を飲んだ。

「この森は、人が住んだから――」

「なら、カーラとラーニャがここに居たって意味ないじゃん。ラーニャは人間だよ?」

「人はいずれ死ぬでしょ?」

 諭すような、軟らかな声だった。少年のような声かと思えば、女性の声に、しゃがれた老人の声かと思えば、溌剌とした青年の声へと、その声は次々に移り変わる。まるであそれが森の真の姿であるとでも言いたそうだった。
 移り変わる声が残酷で、かつ誰にだって分かることを言い放つ。

「ラーニャだっていつかは死ぬのよ」

「そんなの、知ってるよ」

 抗いようのない事実だった。カーラだって知っているし、ラーニャだって自覚しているはずである。それでも一緒にいたいのだ。でも、居たいと思うところは森ではなく、ラーニャの隣だ。彼女はこれからも旅を続ける。

「ラーニャが死ぬ姿、見せてあげましょうか?」

「いらないよ。カーラはそれをそのうち見ることになるけど、それってもっと後の話だもん」

 カーラが首をしっかり横に振った。その拍子に、一瞬だけあたりの音が戻る。やはり、ラーニャは何も喋っていないようだった。だが、他から伝わる温もりがある。ラーニャはそこにしっかりとある。
 カーラもどこにも行っていない。そこにしっかりと立っていた。
 森自身が、ここは森ではないというのなら、本当にここはそのような場所ではないのだ。話の決着はここではつけられない。
 だが、カーラの気持ちはまだ決まっていなかった。うまく、言葉に表せるかはわからないままだ。

「……あなたが、森だっていうのは十分に分かったわ。でも、ここは森じゃないわね」

 カーラの言葉と同時に視界の緑が消える。ラーニャがわずかに体を傾けてカーラのことを見つめていた。彼女の青い目を見つめて、頷く。

「カーラは、森であなたと出会うわ。だから、それまで意地悪するのはやめてちょうだい」

 思っていたより語気が荒くなった。戸惑うように木が風で揺れた。
 カーラがラーニャから手を離す。

「ラーニャ、行かなきゃ」

「……どこに?」

「森によ」

 カーラが言う。ラーニャが一瞬不安そうな顔をしたが、カーラは歩き出した。
 目指す場所は決まっている。ラーニャは少し離れたところを付いて歩くだけだった。


2016-12-10(Sat)

翠の国にて 30

 カーラがうなだれるように下を向いた。その姿を見てもなお、ラーニャが続ける。

「カーラがどうしたらいいのか、考えて決めるのよ。きっと、あなたは決めあぐねているだけだわ。あなたの答えに文句を言える権利を持っているのはカーラだけで――」

「ラーニャの話、難しくてわからないよ……」

「そう? そのうち分かるようになるわ」

 彼女の話はまだまだ続いた。まるで、無理矢理にでも話を途切れさせないようにしているようだった。ラーニャの話は難しくて頭に入ってこない。それでも、耳には入ってきていたので、カーラが適当なところで相槌を打ったり、ぼんやりとした返事をしたりしていた。
 変なところで相槌を打っても、青い瞳は何も言わなかった。何事もなかったかのように話を続ける。流れていく言葉が、彼女の焦りを見せているかのようだった。
 幅の広い道を抜けて、ようやく三本の木の生えた場所までたどり着いた。ラーニャの話題は今日の夕飯の話に移り変わっている。まだその話には随分早いはずだ。
 木漏れ日の模様を変えて、木が揺れていた。
 カーラが風に揺らされる木を見上げようとした時、ラーニャが彼女の手をぐいっと引いた。
 わずかに体勢を崩して、カーラが目を瞬かせる。ラーニャが笑っていた。

「カーラ、よそ見していちゃダメでしょ?」

 彼女たちが居た場所を荷物の載っていない荷馬車が木の葉を巻き上げて通っていった。

「あ、ありがとう……」

「どういたしまして」

 ラーニャの表情はいつもどおりである。わずかに八重歯が見えた。
 カーラが彼女にもう一度お礼を言おうとした時だった。

「ドジね」

 と声が聞こえた。
 驚いてラーニャの顔を見る。いつもと変わらないその表情が、まさか意地悪を行ったあとの顔とは思えない。彼女が急いで辺りを見回す。近くには三本の木があって、カーラの黄色い瞳にはそれしか入らなかった。
 風が拭いて、木の葉を揺すり落とす。
 音が遠のいた。
 嫌な予感がした。ラーニャがぎゅっと手を握ってくれているのが心強い。だが、彼女の声は聞こえなかった。

「カーラ、苦しいの。助けて」

 森の声がそう呼びかける。鼓膜を揺らしているのが、わかった。体の感覚が鋭敏になって、風が吹く感覚さえも、びりびりと痛いくらいに伝わる。なのに、ラーニャの手だけが優しく暖かかった。
 カーラがその手を軽く握り返す。答えはまだ決まっていなかった。だが、言わなければならないことがある。

「……森は苦しいなんて思わないわ」

「それは、あなたの森がそう思わなかっただけだよ。カーラは彼らが苦しむ前にあの森を離れたでしょ?」

「そんなの知らないわ。カーラには関係ないことだもの」

「関係ないなんて、そんなひどいこと言わなくたっていいじゃない。カーラはこれからここで暮らすんだから」

「暮らさないよ。あなたは森じゃない」

「森だよ」

「なら、こんなひどいことはしないで」

「あなたがこの森にいてくれるって言うんなら、こんなひどいこと言うのは辞めるわよ。でも、まだ仲間じゃないから、ひどいことするわ」

「ラーニャがいる限り、カーラはここには居ないよ」

「なら、ラーニャを殺せばいいの?」

 ザザと、風の音だけがする。小さな力であったのに、カーラの体がわずかに傾いた。その言葉の嫌な響きに体を乗っ取られてしまったのかもしれなかった。彼女が顔をしかめたのを、森は見ていただろうか。
 怒りが、芽生える。どうしてそんなことが言えるのか、と心がかき乱された。自分がたったの一人であることを突きつけられているようであった。
 確かに、それは事実だった。
 森は笑うように、影の模様を変えただけだった。


2016-12-08(Thu)

翠の国にて 29

 店を出る頃になると、風が吹くようになっていた。枯葉を巻き込んだ風が、足元をコロコロと転がっていく。一つに結わえたラーニャの髪の毛が風に遊ばれていた。
 風で乱れたのを気にしてラーニャが髪の毛を手櫛で整える。二人共なんとなく宿に帰る気にはなれなかった。
 ラーニャがカーラの方を見ると、彼女の方もラーニャのことをじっと見ていた。黄色い瞳が可哀想なほどに揺れている。何かに迷っていることは確かである。だが、迷われているということにもわずかに腹が立った。
 ラーニャの中にはカーラが迷わず自分のことを好いているという自信があったからだった。彼女の方は、そうは思っていないかもしれなかったし、好き同士だからといって、ずっと一緒にいることができないというのもラーニャは知っていたし、心当たりもあった。
 それでも、選んでくれないという理由で子供っぽい気持ちを抱えたまま、少しすねていたのかもしれない。
 ラーニャが首を振ってため息をついた。せっかくお腹も満たされたのに、こんな気持ちではいけない、と思ったからだった。
 髪の毛に付きそうになっていた落ち葉をふいと避ける。

「まだ帰るには早いわね。どこかで買い物でもする?」

「う、うん」

「じゃあ、街の西側にでも行きましょうか」

 西側は、宿があるのとは全く反対側だ。市街を抜けると、昨日行った森に入れる。
 カーラがわずかに逡巡したが、ラーニャの背中を追いかけ始めた。
 すれ違う人々はやはり様々である。行商人らしき人間、屋台を切り盛りする森人種の女性、道の真ん中を馬車が通っていった。荷台には、色々な食料が載っていた。ここで採れたものも載せているのか、木々に実る果実も大きな麻の袋に詰められていた。
 ラーニャがそれを軽く目で追って、そのままの流れでカーラのことを見やる。
 特に言いたいこともなさそうな、普通の顔をしていた。だが、様子のおかしいカーラのことを気遣っているということだけはわかった。ラーニャがわずかに笑んで頷く。
 前を見てもいないのに、正面から来た人を避けた。

「そんな怖い顔してるんじゃないわよ、カーラ」

「こ、怖い顔なんて……」

「また森に行ってみる?」

「な、何の話?」

「これからの予定の話よ」

 ラーニャがまだ笑っていた。
 楽しんでいる、というよりもどこか、嘲笑っているようにも見えてしまう笑みをカーラに向けて、ラーニャが言う。

「ここに敵がいるんだったら、私が守ってあげられるけどね、カーラ。ここには敵がいないんだから、あなた自身がどうにかするしかないのよ? それはわかっているの?」

「て、敵だなんて……」

「やっぱり思ってないのね。なら、私は守ってあげられないからね」

「ラーニャ、ここに敵なんていないよ」

「そうよね、ここにあるのは森だものね」

 彼女の静かな声が、歌うようにそう言った。
 道の先には街に生えている三本の木が見える。昨日の森で見たあの三本の木と重なって見えた。
 あの木とこの木はきっと同じ木である。


プロフィール

八重土竜

Author:八重土竜
こんにちはヤエモグラと申します。
ただいま、更新健全化月間です。

七月、八月は毎日更新!!!
内容は幼女4人におっさん1人のカオスな俺得小説と、グリム童話をもとにしたダークファンタジーを書かせていただいております。

まれにみる駄文でございますがよかったら読んであげてください。

ブロとも、相互リンク、いつでも受付中です。メッセージやコメントからお知らせください。
目次バナーの素晴らしい絵はエド・叛徒(はんと)様に書いていただきました。


※ちなみに著作権は捨てておりませんので文章、絵の無断転載などはしないでください。

目次たち
   ぼちぼち更新しています。幼女が出てきます。    ダークファンタジーです。ゆっくりとしたお話をお楽しみください。 残り物たち。
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